Androidデジタイザ クイックスタートガイド
本書は、Androidでワコムのデジタイザを使用するために必要な修正の概要を説明することを目的としています。
INDEX
詳細
1 ドライバ選択
汎用のHIDドライバは多様なハードウェアで動作しますが、ワコムのデジタイザには専用のドライバを使用する必要があります。各バスは個別のドライバで処理されます。そのため、デバイスを正常に検出するにはドライバをカーネルにコンパイルする必要があります。
バス | 記号 | 位置 |
I2C | TOUCHSCREEN_WACOM_I2C | Device Drivers → Input device support → Touchscreens → Wacom Tablet support(I2C) |
シリアル | TOUCHSCREEN_WACOM_W8001 | Device Drivers → Input device support → Touchscreens → Wacom W8001 penabled serial touchscreen |
USB | TABLET_USB_WACOM | Device Drivers → Input device support → Tablets → Wacom Intuos/Graphire Tablet support (USB) |
Bluetooth | HID_WACOM | Device Drivers → Input device support → HID support → Special HID drivers → Wacom Bluetooth devices supported |
特定のドライバを使用する用にカーネルを設定するには、カーネルソースディレクトリ内でmake menuconfigコマンドを使用します。上の表に記載された位置に移動して、ドライバを有効にします。必要に応じて、複数のドライバを有効にすることができます。
2 ドライバ設定
統合型デジタイザは、カーネルを取得してAndroidと正常に連携させるために追加の設定が必要です。それぞれの手順の概要を以下に説明します。
2.1 I2C
I2Cデジタイザはカーネルのプラットフォームドライバで宣言する必要があります。システムに接続されたすべてのICデバイスを記述したstruct i2c_board_info型の表をプラットフォームドライバに含めます。以下の様なエントリを追加する必要があります。
I2C_BOARD_INFO(“WAC_I2C_EMR”, 0×09)
この行は、WAC_I2C_EMRデバイスがI2Cバスのアドレス0×09にあることをカーネルに通知します。前半はI2Cドライバのプロパティなので、変更しないでください。後半はデジタイザの使用から判断できます。
2.2 シリアル
Linuxカーネルは、シリアルポートをプロセスに関係させることによってアクセス可能なTTYデバイスとして公開します。この情報をAndroidで使用できるイベントデバイスに変換するには、inputattachツールを使用する必要があります。このユーティリティは、input-wacomパッケージの一部として含まれています。使用方法については、READMEファイルを参照してください。対象プラットフォーム用にコンパイルした後は、起動のたびにinit.rc経由で呼び出して実行します。
2.3 USB
Androidは、USBバス上で接続された入力デバイスがすべて周辺機器であることを仮定します。統合型USBセンサーの場合、入力デバイス設定ファイルを作成して、このヒューリスティックを上書きする必要があります。Googleは、このファイル形式に関するドキュメントをここで提供していますが、USBデジタイザの場合には以下の行を追加する必要があります。
# This is an internal device, not an external peripheral
device.internal = 1
device.internal = 1
3. トラブルシューティング
入力システムには複数のレイヤーが含まれており、どのレイヤーでも問題が発生する可能性があります。Androidには、入力デバイスの問題のトラブルシューティングに使用できるユーティリティが複数含まれています。
3.1 カーネルデバイス
dmesgコマンドを使用すると、カーネルがデジタイザを認識しているかどうかを判定できます。ログの「input」から始まる行には、入力デバイスの名前とsysfsパスの両方が含まれています。ワコムドライバは「Wacom」から始まる独自のメッセージを生成する場合があります。
3.2 カーネルイベント
geteventコマンド(参照)を使用すると、存在する各イベントデバイスに関する情報を取得できます。このツールを使用すると、サポートされるイベントや軸の解像度などの性的なプロパティの表示に加えて、センサーからイベントダンプを取得して詳細な分析を行うことができます。
3.3 Androidデバイス
dumpsysツール(参照)を使用すると、Androidサービスに関する情報をダンプすることができます。特に、入力サービスとウィンドウサービスには、Android自身の入力ドライバの状態に関する情報が多く含まれています。
3.4 Androidイベント
設定アプリに含まれている開発者オプションの1つに、「ポインタ位置」設定があります。これを有効にすると、ポインタが移動するたびに線が描画されます。また、現在の筆圧などの他のリアルタイム情報も表示されます。
Wacom Technology Corp.
バージョン 1.1 2013年